沖縄生成AI研究会(OGAL) Okinawa Generative AI Laboのご紹介
沖縄生成AI研究会は昨年の9月から毎月2回勉強会を開催しています。数名で始まった勉強会は、現在では十数名まで拡大しています。構成は、ITコーディネータ沖縄の会員とその他のメンバーで成り立っています。
今年から取り組んでいる事業として、一般企業向けの研修事業を実施しています。今年の2月に、ある県内のグループ企業から選抜された社員10名に対して、2日間の研修会を実施しました。研修の概要は後述します。
沖縄生成AI研究会は、ITC沖縄会員を中心に構成していますが、会員の紹介などがあれば会外の方でも参加できます。
以下に研究会の主旨と考え方、企業研修の概要などをご紹介します。
1.内部勉強会
(1)何故月2回も行うのか?
月2回の内部勉強会は、主に生成AIのキャッチアップに主眼を置いています。毎日のようにマスコミを賑わす生成AIニュースは止まることを知りません。定期的にキャッチアップに務めていないとあっという間に時代遅れになってしまいます。月2回(土曜日の朝1時間)の勉強会で会員同士の情報交換によって最新の動向を掴んでいます。
(2)業務活用の情報交換
会員企業等での活用事例や活用方法の共有などを行っています。生成AIの活用範囲は広く、様々な利用ケースがあります。事例を共有することで多くの学びが得られます。
2.企業研修について
(1)企業研修概要
①研修生アンケートから
- 「今までの研修で1番やりがいのある研修」「周りに紹介したいものばかり」
- 「二日間、これでもかと云うほど新しい情報を得ることができ、エキサイティングな時間でした」
- 「思いもつかない考え・発想でレベルの高い資料も作成できる」
- 「情報漏洩等のリスクから利用を避けていたが、リスクを避ける方法を学んだため業務効率化に利用したい」
2日間の研修を通して、生成AIの基本から応用、リスク管理、GPTs作成までを学びます。
②研修概要:
1日目: 生成AIの基本、ChatGPT操作、プロンプトエンジニアリング、応用事例など
2日目: 業務分析、アメリカ先進事例(現地から)、リスク管理、GPTs作成
③実績:
23年度、24年度県内グループ企業からの選抜社員10名を対象に、講師4名で2日間のコースを実施した実績があります。
IT-X(沖縄県高度人財育成事業)での研修 2024年9月
(2)生成AI時代における新たなリスキリング
デジタル化が加速する中、生成AIの登場により、新たなスキル習得が必要となっています。 本企業研修は、生成AIを活用したデジタルスキル習得を目的としています。
- プロンプトエンジニアリングの習得の必要性
生成AIは企業変革を牽引する技術であり、その習得は将来のビジネス成功に不可欠です。日々の業務の自動化、データ分析、コンテンツ生成などで業務効率化を実現し、従業員がより創造的な仕事に集中できる環境を創出します。効果的な結果を得るためには正しい指示命令(プロンプト)が必要です。そのための職種としてプロンプトエンジニアなど新たな職種も生まれており、必要なスキルの習得が重要となっています。
- イノベーション人材育成
進化し続ける技術を学習する組織は、変化に対応しやすく、イノベーションを生み出す可能性が高まります。最新技術に適応し、迅速に取り入れられる人材は競争力維持に不可欠です。
- 顧客満足度向上
生成AIは顧客問い合わせへの迅速な対応や、パーソナライズされたサービス提供を可能にし、顧客満足度向上にも繋がります。
(3)研修で獲得するスキル
研修では、以下のスキルを獲得することができます。
- 業務の分析: バリューチェーン分析やなぜなぜ分析を用いて、課題を明確化
- プロンプトエンジニアリング: 生成AIに効果的な指示命令を出すためのプロンプトを学び、トレーニングを通じて習得
- カスタムGPTの開発: GPTsを用いて、個別の業務課題に特化したGPTを作成
- 他のアプリケーションとの連携: GPTsのAPIを用いて、他のアプリケーションやサービスと連携(上級編)
- 生成AIソリューションをアサイン: 各種生成ツールの特徴を理解し、実際の業務課題に最適なツールを選定
- 生成AI利用ガイドラインを理解: 生成AIと著作権、リスクマネジメントを理解し、正しく安全に利用
3.生成AIを安全に利用する方法
- 学習に利用しない
ChatGPT企業向け「Team」プランでは、管理者コントロール、専用ワークスペース、メンバー管理、データの非利用など、セキュリティ機能が充実して。データが学習に利用されないことで漏洩リスクを低減することができます(標準装備)。個人版のChatGPT Plusでも同様の機能を設定できます。
- ハルシネーション(誤回答)の防止
また、オリジナルGPTなどで独自のナレッジを与える(RAG ※1)ことで、ハルシネーション(誤回答)を防ぐ技術も進化しており、生成AIの業務利用環境が整っています。最新のAIでは、与えた知識(PDF、Text、リンク等)の中からだけ要約に特化して回答し、誤回答をほとんど出さないGoogleのNotebook LMなども登場しています。
※1 RAG:検索連動生成(Retreaval Augumented Generation)
生成AIに独自の知識(例:新入社員マニュアル)を与え生成AIの知識を拡張する技術
4.まとめ
デジタル/DXで海外に後れをとる日本、その中で本土に後れをとる沖縄、起死回生の一手が生成AIの活用です。様々な業務活用事例が生まれており、特に業務に特化したカスタムGPTなどの技術で大幅に効率化を図ることができます。沖縄生成AI研究会(OGAL)と共に学びましょう!
2024年7月20日のITC沖縄勉強会(YouTube)
沖縄生成AI研究会代表s:新井良直🔗