活動実績
【11月定例勉強会】「沖縄県へのIT政策要望提言ー中小企業のIT化(中小企業家同友会)」
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- カテゴリ: 活動実績
- 公開日:2020年01月09日(木)08:32
特定非営利活動法人 ITコーディネータ沖縄 11月定例会
◆ 開催概要 ◆
開催日:2019/11/27
演題:「沖縄県へのIT政策要望提言ー中小企業のIT化(中小企業家同友会)」
講師:沖縄県中小企業家同友会政策委員会IT担当副委員長
新井良直(ITコーディネータ沖縄理事、㈱夢づくり沖縄代表取締役)
Webサイト https://www.d-okinawa.jp/
=== 沖縄県中小企業家同友会について ===
沖縄県中小企業家同友会(以下、同友会)は会員数1300名の中小企業・小規模事業経営者の集まり。人間尊重経営を理念の根幹とし、良い会社、良い経営者、良い経営環境を目指すことを目的とする。経営体験報告や様々な経営に関する学習会活動を基本とするが、障がい者の雇用拡大、女性の地位向上、その他社会課題への取り組み、そして中小企業の地位や生産性向上を目指した中小企業振興条例制定運動などの対外活動も行っている。昨年から制定された中小企業の日(7月20日)は沖縄同友会と超党派の国会議員との懇談会の中から出てきた案がきっかけとなり制定された。
=== 沖縄県の中小企業の現状 ===
沖縄県の中小企業の状況は、県民所得、企業所得、労働生産性共に本土の約7割、中小企業の割合が99%でそのうち小規模事業者の割合が85%、子供の貧困が3割を超え、非正規雇用率も43%、起業率、廃業率とも全国一で経営者の高齢化も激しく、年間のソフトウェア投資額が12.9万円で本土の1/10という喜べない現状がある。
=== 5つのIT政策要望提言 ===
同友会では数年前から沖縄県に対して政策要望提言を行っている。その中で、同友会情報委員会が中心となってとりまとめたIT政策要望提言について報告する。
要望提言は大きく5つ。
(1)沖縄県中小企業振興条例に「IT化」の文言を明記すること、
(2)中小企業のIT成熟度診断を実施し実態を数値化して「見える化」すること。
(3)県発注業務のEDI化、
(4)IT人材育成、
(5)中小企業がデータ経営へ移行できるための支援。
5つのIT施策を通じて、中小・小規模事業者の底上げを図り全国最下位の生産性を向上させ、持続可能な企業価値を作り上げることを目的とする。いくつか抜粋して解説する。
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条例にIT化を明記。条例が制定された10年前とは比べものにならないほどIT化の影響は大きく、あらゆる経営活動の基盤となっている。ITは一過性の流行ではなく、条例に明確に位置付けるべきである。
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IT成熟度診断。同友会内部で成熟度診断のサンプル調査を実施した結果、経営者から「現状とあるべき姿がわかり参考になった」などの感想が寄せられた。実態を把握させることで経営者に気づきを与え、また支援機関にとっても企業個々の実態に合わせたOne to One支援ができる。多くの中小企業経営者はどのようにIT化を進めれば良いのかわからずIT投資にも二の足を踏んでいる。まずは自社のIT通信簿=成熟度を測ることから始めよう。
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県発注業務のEDI化。中小企業の生産性を遅らせている原因の一つが電話、FAXによる受発注という旧態依然の商習慣であることが指摘されている。同友会内のアンケート調査でも電話FAXが74%、電子メール56%、EDIはわずか15%となっている。企業に任せたままではバラバラなEDIが乱立するのみで、中小企業には浸透しない。中小企業庁がすすめる共通EDIを、まずは県発注業務から始めよう。
など。講演後、グループに分かれて、以下のテーマで討論を行った。
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中小企業のIT化に必要なことは何か?
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何故、沖縄のIT化は進まないのか?
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IT政策提言はどうあるべきか?
(文責・新井)
当日のプレゼン資料は下記Connpassからダウンロード可能